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2019.08.09

女性の先天「肝」 【その1~西洋医学の「肝臓」との違い~】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

今日から、何回かに分けて
「女性の先天」と言われている
「肝」についてお話いたします。

 

◆西洋医学の「肝臓」と東洋医学の「肝」

まず、知っていただきたいのは、
これからお話しする「肝」は、
西洋医学で言う「肝臓」とは違うということです。

西洋医学の「肝臓」の機能を
一言で言うと「化学工場」です。

よく知られているアルコールの分解や
人体に有害なアンモニアを
尿素(無毒)へ変換する働き、
血糖値の調整に関与する
グリコーゲンの合成・貯蔵など、
人体に害のないように栄養素などの物質を
代謝・変換する働きを
「肝臓」は引き受けてくれています。
(もちろん、この他にもたくさんの機能があります)

一方、中医学の「肝」の主な働きは、
以下の2つになります。

1.疏泄(そせつ)
体内の気や血液、水分の流れをスムーズに保つ

2.蔵血(ぞうけつ)
体内の余分な血液を貯蔵しておく

この2つの機能はどちらも大切なのですが、
2の「蔵血機能」は特に女性にとって
大切とされています。

「肝」の蔵血機能とは、
必要なときに必要な場所に血液を運ぶために
余分な血液を貯蔵する機能を指します。

つまり、女性が妊娠した際には、
胎児を育てるため、
「肝」に貯められた血液を
子宮に送り続けることになるのです。

 

◆肝は女性の先天

したがって、慢性的に血が足りない女性は、
胎児を体内で育てられない身体になってしまい、
妊娠しづらくなってしまいます。

身体は、胎児よりも自らの母体を
守ることを優先するからです。

このように、「肝」は血液を貯蔵し、
女性の生殖機能には血液が
もっとも重要であることから、
「肝は女性の先天」と言われているのです。

次回以降も、「肝」について
少しずつお話していきます。

「肝」が失調したときの症状や
「肝」の守り方など、
皆さんに役立つ情報をお届けしますので、
ご期待ください。

 

誠真堂鍼灸院 東洋史

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